羅漢図

元時代縦93.6 横37.0 

大光明寺蔵

 

羅漢は阿羅漢(アラカン)の略で、修業を重ね煩悩をたち、悟りを得て、人々から尊敬され供養を受けるに値する聖人をいう。羅漢の中でも十六羅漢は、釈迦から永くこの世にとどまって各地で仏法を護(マモ)り、人々を救うように告げられた十六人の羅漢をさす。
本図は、数珠を握り椅子に座る羅漢と、天目茶碗(テンモクチャワン)を手にする侍僧(ジソウ)、薬研(ヤケン)を擦(ス)る侍者、水注をもつ侍者の姿が描かれている。かたわらには牡丹の花が大きなガラス器に飾られているなど、豪華な調度も注目される。
現在は単独幅として伝わっているが、京都妙心寺や滋賀宝厳寺などに所蔵されている十六羅漢図の第三尊者とほぼおなじ図様で、当初は十六幅あったものが一幅だけ分かれたものと考えられる。