竹茶杓 (たけちゃしゃく)
千利休作 桃山時代 長18.0
付属:共筒、替筒・箱 久田宗員 慈照寺蔵
侘び茶の大成者千利休(1522〜91)は、茶杓もかなり削っている。東山時代は竹茶杓も象牙にならって節なしか、または元節のものであった。しかし、桃山期に入り、利休にいたってはっきりと竹という素材を生かす中筋となった。 これなどは、利休の茶道具にたいする意志を反映したものといえよう。唐物至上主義から一歩を進め、自由な発想から茶道具をとりあげてゆくという態度こそ、利休の目ざした茶の湯の理想のひとつであったろう。
この杓は、利休の共筒となっているが、筒の口に焼き印で花押があり、あまり例を見ない。替筒と箱は、半床庵久田宗員が書いている。