堆黒倶利香合 (ついこくぐりこうごう)

明時代 高2.0 径7.6 鹿苑寺蔵

 

堆黒は彫漆の一種で、器胎の上に黒漆を何回も塗り重ね、時折朱をも塗りながら、分厚くなったところで文様を掘出したものをいう。中国の唐代にはすでに始まったと思われ、宋代に盛んとなった。わが国には 鎌倉時代に伝来し、室町時代には唐物として珍重され、茶器、盆、香合、食籠、卓などと多様なものを作り出している。
大作としては、禅僧の頂相に必ず描かれている曲ろく(椅子)などもあり、寺院にはなくてはならぬ道具の1つである。