七官青磁五角山水香合(しちかんせいじごかくさんすいこうごう)

明時代 高2.2 径5.8 慈照寺蔵

 

中国の龍泉窯では、宋、元へかけて青磁を数多く焼いているが、明代に入っても、透明な青緑色の光沢の強い釉で、貫入の入った物を産した。これらをわが国では「七官青磁」と呼んでいる。彫塑的なものが多く、陰刻、陽刻、押方などを造っている。いわゆる形物香合といわれるものはほとんど青磁である。七官とは、明王朝の官名であるとも、請来した人物の名ともいわれるが、いずれにしても茶人特有の呼び方であろう。
この香合は、五角形の蓋に山水文が彫られており、珍品の部類に入るものである。