春屋妙葩頂相

室町時代 縦117.0 横55.0
吉山明兆筆 祖芳道聯賛
絹本着色 光源院蔵

 

本図は春屋の聡明さと世事にも秀でた手腕家としての一面をうかがわせるもので、左下隅に「破草鞋」印が捺され、肖像画、人物画に優れた明兆の手になることを示している。強弱を持つ鋭い墨の衣紋線が特徴的で、全体の色調が地味であり、水墨画的な趣致をみせ、通常の頂相とはやや趣を異にしている。図上の長文の賛は杭州の浄慈寺住持、祖芳道聯(ソホウドウレン)が春屋の徒弟昌善のために記したもので、永楽2年は応永11年(1104)、春屋の寂後17年目に当たる。