無準師範頂相(ぶしゅんしばん ちんそう)
南宋時代 縦114.5 横52.5
大光明寺蔵
無準師範(1177〜1249)は、中国、南宋の禅僧。明州の清涼山、育王山などを歴住し、五山第一位の径山(キンザン)萬寿寺の住持にのぼった。来朝僧の無学祖元や画僧牧谿(モッケイ)は無準師範の門弟で、 中国のみならず日本でも広く尊敬を集めた高僧である。
本図は、曲ろくに坐り右手に警策をとるという、一般的な頂相形式によるもの。図上には、無準師範の賛があり、日本から入宋した禅僧、円爾弁円(1202〜80)に請じられて、嘉煕2年(1238)に賛をしたことがわかる。無準61歳になる顔貌は、繊細な線と隈取りを用いて写実的に表現されている。