鳴鶴図(めいかくず)

文正(ブンセイ)筆 明時代 双幅(左幅) 

縦181.3 横85.2 相国寺蔵

 

左幅は画面左上に「九皐唳月(キュウコウレイゲツ)」と題されて土坡に立ち月を見上げて鳴く鶴の姿を描いている。右幅とは対照的に静的な構図で湧きあがる雲や見え隠れする細い竹の描写は、垂直線と水平線を基調とする画面を一層静謐なものとしながら、控えめな色彩や墨調が鶴を浮き上がらせている。また、胡粉の濃淡によって鶴の胴体の量感が表現され、あたかも光っているような羽の白さが印象的である。