鳳凰石竹図(ほうおうせきちくず)
林良筆 明時代
縦163.0 横96.0 相国寺蔵
林良は明時代中期の花鳥画家で、字は以善という。広東の人で、水墨花鳥画で名高く、わが国においても珍重され、林良筆と伝える作品は多い。
この作品は険しく突き出た岩に立ち、月を振り仰ぐ鳳凰を描いている。鮮やかな墨色と力強い筆致を特色とする本図では湧き上がる雲なども、あくまでも鳳凰を浮き上がらせる背景としての働きが強く意識されており、「写生」よりも「写意」を本意とした林良の姿勢がうかがえる。
画面右に「林良」の款記と「以善圖書」の朱文方印が見える。