無学 祖元(むがく そげん:1226 - 1286)

 鎌倉時代に宋から来日した。仏光派の祖、鎌倉円覚寺の開山。号は無学、字(あざな)は祖元。諡(オクリナ)は仏光禅師。円満常照国師と追諡(ツイシ)される。明州(浙江省)の人。径山(キンザン)の無準師範に師事し、その法を嗣ぐ。天童山で環渓惟一(イイツ)の教化を助けていたが、北条時宗(ホウジョウトキムネ)が使者無及徳詮・宗英(ソウエイ)を遣わして名僧を招き、これに環渓の推挙を得て応じ、1279年(弘安2)来日した。鎌倉の建長寺に住し、1282年円覚寺を開創。北条時宗をはじめ、鎌倉武士などの真剣な参禅を受け、その教化に尽力し、精神的に多大の影響を与えた。法嗣に高峰顕日・規庵祖円らを出し、一派を仏光派と称する。五山派の主流をなす夢窓疎石は高峰の法嗣である。